こどもの矯正

顎の成長が見込める子供の時期に実施する治療です。

 

こどもの矯正では、歯の土台となる「顎」を作っていきます

不正咬合(出っ歯、受け口、八重歯など)のお子さんは顎が小さい方がほとんどですから、成長期を利用して顎を広げることにより不正咬合を改善していきます。顎を広げることで、歯を抜かずに矯正できる確率が高まります。

 

「顎を広げる」と聞くと「顔が大きくなるのでは?」と心配なさる方がいらっしゃいますが、歯科でいう「顎」は一般的な意味の顎(お顔の最下端)ではなく、上下の歯の植わっている部分の骨をいいます。ですから顔の大きさと「顎」の大きさは、全く関係ありません。

 

一般的に、顎を広げるのは骨のやわらかい子供の時にしかできないので、お子さんの不正咬合に気づいたら相談だけでも早めになさることをおすすめします。

 

こどもの矯正はいつから?

歯型を取ることが可能なお子さんであれば5歳程度から始めることが可能です。特に受け口の治療には年齢的限界があるため、早めに治療開始することをお薦めしています。

 

こどもの矯正治療方法

子供の矯正は歯の状態や成長・発達の状態に合わせていくつかの治療法があります。
それぞれの治療段階により、使用する装置が違います。

拡大治療

上顎拡大装置

上顎拡大装置は上顎骨を広げることを目的とした固定式の装置です。固定式装置を使う利点として、24時間装置の効果がある、ご本人の努力を必要としない、虫歯になりにくい、舌の機能訓練を兼ねることができる、といった点があります。

リンガルアーチ

リンガルアーチも固定式の装置で、当院では下顎臼歯を整直させたり下顎骨を広げたりするために使用しています。「下顎骨を広げる」と聞くと「顔が四角くなるのでは?」と心配なさる方がいらっしゃるのですが、まったく関係ありません。

機能的矯正装置

FKO(エフカーオー)

FKOは下顎の成長を促す装置で、「出っ歯」や深い噛み合わせ(噛んだとき下の歯が見えない)を改善するために使用します。

下顎の成長時期に使用するのが最も効果的ですが、下顎の成長期に使用するためには、成長期の前に下準備(顎の拡大治療など)を終えておく必要があります。

ツインブロック

FKO同様、下顎の成長を促す装置です。

顎外装置

フェイシャルマスクは上顎の成長を促し、受け口を改善する装置です。

非抜歯矯正

当院では、子供の矯正から始めた患者さんのほとんどは、Ⅱ期治療(永久歯全体を並べる治療)に移行した時に非抜歯矯正(歯を抜かない矯正治療)になります。ただし、口元をもっと引っ込めたいというご希望がある場合や、歯が大きすぎる患者さんの場合には歯を抜く治療に移行することもあります